ナイトウィザード『無名帳』


5.

それからの日々は多忙に過ぎた。
期末試験勉強。高校受験勉強。
その間を突くような形で教わるべき事。エミュレイターと戦うと言うこと、戦い方の基本……。
どうにか無事に高校合格、三学期修了を成し遂げ、基之は卒業、進学することが出来た。
そして、卒業式も無事に終わり、卒業証書を持って校門に向かった。
喜び、悲しみ、寂しさ。
そう言った色々な感情と共に校門を出て行く生徒たち。
基之も校門を出て、その直後、足が止まった。
そして、ふっと、後ろを振り返る。
ああ、もうあの頃に戻れないんだ……
そう思うと、涙が止まらなくなった。
それでも、基之は涙で視界が歪みながらも、家へ戻っていった。

(終わり)

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